ライトグリーンの帯が付いた木壁(パイプが埋め込まれている)。
「参」の字を間違えている落書き。
団扇のなる木(実がなったら、団扇を引っ張って実を取るのだそうです。
2012年10月13日(土)
フィールドワーク:みなみくさんぽ
cumin projectを始めるにあたり、南区の街の魅力を探るため、そしてそこに住んでいる人と友達になるために、南区内をフィールドワークしました。
今回は南区の北端である京都駅南側の百貨店「京都アヴァンティ」をスタートし、南区の最南端である桂川緑地を目指して歩きはじめました。が、カメラ片手にぶらぶら歩き始めて見ると、4時間のフィールドワークで竹田街道十条までしか辿りつけませんでした。ゆっくり歩きまわってみると、面白いもの、変なもの、不思議なものが沢山あったからです。
ところで、フィールドワークの方法は様々ありますが、今回、私たちが参考にしたのは、超芸術トマソンと波板模様でした。超芸術トマソンというのは、アーティストの赤瀬川原平さんや南伸坊さんなどが作った言葉で、「不動産に付随している無用の長物」のことを指します。例えば、上った先に扉の付いていない階段などを指します。一方の波板模様というのは、アーティストの伊達伸明さんがライフワークとして続けている波板に模様を見出す行為に由来します。風雨にさらされ、傷がついたり汚れが付着したりした波板には、工芸作品にあしらわれているものと同じような模様を見ることが出来るのです。
これら超芸術トマソンと波板模様はどちらも、そこに現れている現象が人の意図したところではない、という点で共通しています。超芸術トマソンはその存在を忘れられたり無視されたりすることによって生まれるのでしょうし、波板模様は風や雨といった自然の力によって作られています。
都心部と言えば、人が作った物で溢れているというイメージがありますが、今回のフィールドワークではその片隅にある人為を超えたヘンテコなものを見つけることが出来ました。